Q.53 乳児にハチミツをあげてはいけないと聞きましたが、滋養のあるものなのに何故でしょうか?
A.53 ハチミツは1才になってから、あげて下さい。
ハチミツを1才未満の乳児に与えると乳児ボツリヌス症(ポツリヌス食中毒とは違う、乳児特有の病気)という病気に罹ることがあります。
発病すると全身の筋肉が麻痺を起こします、そのため初期には腸の動きが悪くなるので便秘が起こり、次第に鳴き声が弱くなったり、乳がうまく吸えず、また口の中のものをうまく飲み込むことが出来なくなります、さらに進行すると呼吸筋も麻痺して、呼吸困難となります。
快復には数ヶ月掛かることが多く、死亡率は2−3%と言われています。発病した乳児の便からはボツリヌス菌や毒素が検出され、発病した乳児の約30%はハチミツを摂取していたという統計が出ています。
一方、市販のハチミツの約5%−10%から菌体が検出されています。
1才以上になりますと、腸の中にはボツリヌス菌が侵入してきてもそれを殺す有益な腸内細菌が増え、それによって身体は守られますが、1才未満、特に8ヶ月未満の乳児はその働きがあまり強くありませんので発症することがあります。
日本での発症例は生後8ヶ月までの乳児の範囲だけで確認されていますが、身体の総合的な抵抗力を考慮に入れて、1才を過ぎるまではハチミツを与えることを控えるべきです。
1才を過ぎればあまり気にせずにハチミツを与えても良いとは思いますが、一般的に、母子共に栄養が豊かなこの時代に早期からハチミツを使用しなければならない理由があるとも思えませんので、乳児ボツリヌス症の発症とは直接関係がないにしても、十分に免疫力を持つ1才半を過ぎてから、摂取を開始するのが良いのかもしれません。
尚、十分に加熱殺菌したものでも(こんなことすると、風味も栄養も損なわれハチミツとは言えなくなりますが)乳児ボツリヌス症は菌そのもので起こるのではなく、菌の生産した、毒素で起こるのです、その毒素は加熱や低温でも取り除くことが出来ず、やはりその毒素を十分に解毒できる肝臓を始めとする臓器の働きが未だ未熟な乳児には不適当な食品であると言うことになります。
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